真っ白なキャンパスに絵を描くように住まう
家の完成は工事業者から引渡しを受けた時が完成ではありません。
引渡しを受けた時からがはじまりです。真っ白なキャンパスに絵を描くように家裁道具が持ち込まれ、部屋の雰囲気が描かれていきます。
ハウスメーカーなどの完成見学会に行かれたことのある方もいらっしゃると思います。多くの場合、完成した家は床、壁、天井とシステムキッチンや洗面台などの工事で取り付けなければならないものだけになっていると思います。
簡単に言ってしまうと「なんにもな〜い」って感じですか。アパートやマンションを選んでいる時と同じですね。
何か殺風景で、モデルルームで受けた印象とは違ったものになっているのではないでしょうか。
これは「生活観がない」からです。人がまだ住んでいない家だからです。
この何もない部屋に家具が持ち込まれ、物が収納され、小物や雑貨が置かれると、やっと生活観が出てきます。
部屋は「持ち込まれた物」によって色付けられたように雰囲気が出てきます。
良くも悪くも、建主の趣味趣向が反映された部屋の雰囲気が出来上がります。
これはキャンパスに建主自身を描いた絵のような状態です。建主の生活感を描いた絵ともいえます。
あなたはどんな絵を書きたいですか。
部屋の床、壁、天井の素材や色、柄を決める時には、建主の趣味趣向で選んでいくと思いますが、センスが問われるところです。
工事の完成後、持ち込む家裁道具のことを考えながら、雰囲気を決めて選ばなければ、結果がちんどん屋になってしまうでしょう。(ちんどん屋さんすいません。)
持っている家具は白や黒のモダンな家具、完成した家は黄色やクリーム色のプロバンス風では、当然、家具を置いた時に違和感を感じてしまいます。
外観もそうですが、部屋の雰囲気の方向を決めて、今持っている家具、新居に入れる予定の家具、購入予定の家具などを住みたいと思っている部屋の雰囲気を考えながら決める必要があります。
「ミッキーが可愛い」とか「この黒い皮のソファーいいなあ」と家具やそのものが気に入ったというだけで購入を決めてしまうと、部屋の雰囲気とずれてしまう可能性が高いので注意してください。
全体的なバランスを考え、ある程度の統一感を持たせながら、突然変化することがないように外観や部屋をまとめると、安定感が出てきます。バランスがくずれているところがないと違和感を感じずに済みます。
「完成した家に持ち込むもの」で建主のセンスが問われます。
素人の人が失敗し難い方法は「お手本」を決めることです。雑誌などを参考に「こんな雰囲気の部屋にしよう」と決めるわけです。
決めた雰囲気は部屋ごとに変えるのではなく、全体的に統一することをお勧めします。
ただ、お手本通りにすべてを合わせて考えるのは止めた方が良いと思います。
個性がなくなってしまいます。あなたらしさがなくなってしまいます。結果、つまらない家になってしまいます。
お手本を元にいろいろな組合せや応用をしてみてください。楽しいと思います。
●これから家を新築する方へ
お手本は、家全体のイメージを統一するために必要です。これは、持ち込む家裁道具だけではなく、床、壁、天井の色や素材にもいえます。
同じ素材や同じ色を必ず使う必要はありませんが、近い色を使うことをお勧めします。色が合っていれば、素材は合わせなくなくても、ある程度の雰囲気は合ってきます。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、お手本に合わない物は置かないことです。
お手本に合わない物は置かないと決めてください。物を買うとき、必ず、お手本を思い浮べ、合うかどうかチェックしてみて下さい。
★自分のセンスに自信のない方へ
良い設計事務所を選ぶことが出来ると、自分の趣味や好みを伝えるだけで、あなたに合せた家を「提案」してもらえます。
あなたは、その提案を聞いて自分らしさを検討することが出来ます。
思い違いのない、自分らしい家を造ってもらうことが可能となります。
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